(2)連結部材、取付け部が破損しない落橋防止装置(BRD落橋防止装置)
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特許第5475847号

ネクスコ設計要領(2023年10月)では落橋防止装置には上限強度を有する部材が望ましいと記されています。
部材の強度が過大だと取り付け部が先に破損するからです。
BRD落橋防止装置は以下に示すように上限強度が規定されている低降伏点鋼材を使用していますので
ネクスコ設計要領に準拠しています。


BRD落橋防止装置の構造は図-1に示すように、基本的には(1)制震装置BRDと同じです。



                  図-1 BRD落橋防止装置

1) 熊本地震(2016.4.14,4.16)では落橋防止装置の取付け部が損傷する事例が発生しました。
国土交通省、東・中・西日本高速道路株式会社では、設計時取付け部の損傷が生じないように
留意することになりました。

2)取付け部が損傷しないためには、落橋防止の強度は取付部の強度より低くなければなりません。
なおかつ落橋防止装置が破断してはなりません。

3)これまで用いられてきたPCケーブルやチェーンには上限強度の規定がなく、
それらの強度がありすぎるために取付け部が先に損傷しました。
熊本地震(2016.4.14,4.16)の損傷はその例です。

4)取付け部が損傷しないためには、落橋防止装置に上限強度を設けることが必要です。
BRD落橋防止装置に用いる座屈拘束低降伏点鋼は上限強度を有しています。
またじん性が大きいため上限強度に達した後も破断しません。

5)BRD落橋防止装置のメカニズムは①のリンクをご覧ください。

① BRD落橋防止装置のメカニズム

2.BRD落橋防止装置はPC鋼より線などの上限強度に規定のない可撓性の落橋防止装置に比べて
すぐれた特徴を有しています。②のリンクをご覧ください。

②BRD落橋防止装置の特徴

3.BRD落橋防止装置とPC鋼より線落橋防止装置を比較しています。
③のリンクをご覧ください。


③BRD落橋防止装置とPC鋼線落橋防止装置の比較

4.一般社団法人 日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所
「座屈拘束型ダンパーガイドライン委員会運営業務報告書
(平成29年4月)
に詳しく記載されております。