① BRD落橋防止装置のメカニズム
1) 図-1に示すようにBRD落橋防止装置は芯材、座屈拘束鋼材及びスライド装置からなります。
図-1 BRD落橋防止装置の模式図
2)芯材は低降伏点鋼で製作されます。
3) 座屈拘束鋼材は芯材を取り囲むように配置され低降伏点鋼の圧縮時の座屈を防ぎます。
4) スライド装置の役割は以下のリンクに記載されています。
②スライド装置の役割
5) 芯材の低降伏点鋼は端部では十字形をして取付け部に連結されます。
6) 道路橋示方書では落橋防止装置は
1.5Rd
以上の耐力が必要であるとされています。ここにRdは死荷重反力です。
7) BRD落橋防止装置では、端部低降伏点鋼がちょうど
1.5Rd
の耐力を有するように設計してあります。
8) 低降伏点鋼は普通鋼材と違って上限強度が規定されているから設計可能なわけです。
低降伏点鋼は上限強度に達してもじん性が大きいため極めて破断しにくい特性を有しています。
9) これまでの落橋防止装置では使用材料に上限強度の規定がないため耐力が
1.5Rd
より大きくなり、これが取付部損傷の原因となっていました。
10) 低降伏点鋼は極めてじん性が大きいため、芯材が破断する可能性は極めて低いですが、
想定外の地震で万一芯材がが図-2 に示すように破断しても、 BRD落橋防止装置は、端部低降伏点鋼と
座屈拘束鋼材がボルトで連結されているので、ちょうど
1.5Rd
の耐力を有することになり、性能は保持されます。
図-2 座屈拘束鋼材部分の低降伏点鋼が破断した場合
11) BRD落橋防止装置は制震装置BRDと同様に大きな減衰性能を有しています。