(13)BRDまたはBRD-W slideを用いた免震支承
1) 参考文献1)によれば鉛プラグ入り積層ゴム支承(LRB)は経年劣化により減衰性能が低下することが
交番載荷試験の結果確認されています。
参考文献 1)
土木学会論文集A1(構造・地震工学), Vol. 70, No. 4(地震工学論文集第33巻), I_1032-I_1042, 2014
「経年劣化した鉛プラグ入り積層ゴム支承の残存性能に関する実験的検証」
林 訓裕1・足立幸郎2・甲元克明3・八ツ元 仁4・五十嵐 晃5・党 紀6・東出知大7
1,2,3 阪神高速道路(株)大阪管理部
4 阪神高速道路(株)技術部
5 京都大学防災研究所
6 埼玉大学大学院理工学研究科
7 京都大学大学院工学研究科
2) 図-1に示すように鉛プラグには温度変化,クリープ乾燥収縮などにより常に繰返し応力が作用しているためと考
えられます。
図-1 LRBを用いた橋
3) この問題を解決するには図-2に示すような構造が考えられます。
ⅰ) 桁の鉛直荷重及び橋軸方向の変形は積層ゴム支承(またはすべり支承)で取ります。
ⅱ) レベル2地震時の減衰機能はBRDまたはBRD-W slideでとります。
ⅲ) BRDまたはBRD-W slideに用いられている座屈拘束低降伏点鋼も降伏点を超えて一定回数の繰返し荷重
を受ける破損しますがBRDまたはBRD-W slideではスライド区間が設けられているためレベル2地震の時
を除いて座屈拘束低降伏点鋼には荷重が作用しないため健全な状態が保たれるわけです。
ⅳ) 座屈拘束低降伏点鋼はレベル2地震の繰返し回数では破損しないように設計します。
図-2 BRDまたはBRD-W slideを用いた橋