⑦波形鋼板による斜π橋の鉛直材の耐震補強
平成28年熊本地震では斜π橋の鉛直材が損傷しました。
地震の方向を考慮するとねじりせん断による損傷と判断されます。
図-1に示すように、波形鋼板(リンクして下さい。)を鉛直材の周囲に巻き立てることにより、耐震性能を
高めることができます。
メナーゼヒンジ部も同様に波形鋼板で巻き立て、メナーゼヒンジを補強します。
ネクスコ設計要領に準拠しております。
以下のような理由です。
図-1 斜π鉛直材にKD巻き立て工法を適用した例
(注:波形鋼板の凹凸は誇張してあります。)
1) 波形鋼板を斜π鉛直材のような薄肉部材に巻き立てるとねじりせん断抵抗が増大することが
大規模載荷試験で確認されています。
2) 波形鋼板はメナーゼヒンジのせん断補強には貢献しますがが、
アコーデオン効果(リンクして下さい。)により、回転機能は損なわれません。
3) 鋼板巻き立てと違って、空隙にグラウトまたはエポキシを充てんする必要がありません。
次のリンクに記載されています。
⑤橋脚と波形鋼板の隙間にはエポキシやモルタルの充てんがなぜ不要か
4) 工場製作なので現場工期が短くできます。
5) RC巻き立てに比べて死荷重の増加が少なくできます。