⑨ 波形鋼板によるラーメン橋脚柱頭部の耐震補強

1)平成23年東北地方太平洋沖地震でラーメン橋脚柱頭部が曲げせん断破壊しました。
旧基準で設計された構造物はせん断耐力が不足することがあります。

2) 平成28年熊本地震では落橋防止装置取付け部が破損しました。
制震装置や落橋防止装置を後から取り付けた場合、大きなせん断力が作用しますので、
せん断耐力が不足することがあります。

1),2)の場合図-1に示すようにラーメン橋脚柱頭部や隅角部に波形鋼板(リンクして下さい。)を巻き立てると
せん断耐力が大幅に増加することが大規模な載荷試験で確認されています。


ネクスコ設計要領に準拠しております。

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 図-1 波形鋼板巻き立てによる橋脚柱頭部の曲げせん断またはせん断耐力の増加


3) 鋼板巻き立てと違って、空隙にグラウトまたはエポキシを充てんする必要がありません。
次のリンクを参照ください。

     
  ⑤橋脚と波形鋼板の隙間にはエポキシやモルタルの充てんがなぜ不要か

4) 波形鋼板のアコーデオン効果(リンクしてください。)により、レベル2地震で塑性ヒンジの回転性能は損なわれません。

5) 工場製作なので現場工期が短くできます。

6) RC巻き立てに比べて死荷重の増加が少なくなります。