⑥-1 せん断破壊型橋脚の補強
図-1に示すような橋脚に水平荷重が作用した場合を考えます。
せん断破壊は図-1の右図のような幅広の橋脚に斜めひび割れとして発生します。
曲げ変形が小さく、せん断変形が支配的であるからです。
図-1の左図のような曲げ変形が支配的な橋脚でも曲げモーメントが変化すればせん断力は発生しますから,
主鉄筋が十分に配置されていて曲げ破壊を防止できても,せん断鉄筋が不十分な場合
斜めひび割れが発生します。
図-2に示すようにひび割れは引張主応力と直角方向に発生し,水平と45°の角度です。
図-1においてせん断変形が支配的な橋脚においては,曲げ破壊は発生しませんが,
せん断鉄筋が十分でないと図のような斜めひび割れが発生してせん断破壊を起こします。
図-2に示すようにひび割れは引張主応力と直角方向に発生し,水平と45°の角度です。
図-3に示すようにせん断破壊は曲げモーメントが弾性範囲にある場合においても
急激に橋脚が破壊する場合があります。これをせん断破壊と言います。
地震力に対してせん断鉄筋やフープ筋などせん断抵抗筋が十分でない場合に発生します。
この不足分を波形鋼板で補います。
図-1 せん断破壊型の橋脚
図-2 橋脚の破壊部のせん断変形
図-3 せん断破壊型橋脚の荷重-変位図
波形鋼板の断面をどのようにして決定するかは以下のリンクに記載されています。
波形鋼板の断面決定法
図-4に示すように曲げモーメントが急変する箇所でせん断変形は大きくなり,せん断破壊が発生しやすくなります。
橋脚の基部, ラーメン構造の剛節点付近などが考えられます。
図-4 曲げモーメントとせん断変形のイメージ図