⑤ レイリー減衰

1)モード解析
  n自由度の運動方程式(1)の解である
mode816
2) 直接積分法とレイリー減衰

 レイリー減衰とは運動方程式(1)において,
rayley200
rayley201
rayley202
3)耐震補強の留意点

ⅰ) 数個の卓越した固有振動数を有する可能性がある橋は斜張橋,
エキストラドーズト橋,高橋脚ラーメン橋,アーチ橋などです。
なかには鉛直方向振動モードが卓越している場合もあります。

ⅱ) 地震動の卓越振動数が橋梁の卓越固有振動数と一致した場合
共振して応答が極端に大きくなります。
以下のリンクに記載されています。

地震動の卓越振動数と構造物の応答

ⅲ) 減衰は応答に極めて大きな影響を与えますので,レイリー減衰で誤差が
予想される場合は,制震装置を適切に配置し,橋梁部材が塑性化しないように
耐震補強します。
減衰の大きさにより応答が大幅に異なることは以下のリンクに記載されています。

振動数比-変位応答倍率曲線(共振曲線)


ⅳ) 構造部材が塑性化すると地震終了後残留変形が発生します。
残留変形は塑性化していない部材まで影響を及ぼし,地震後橋梁の使用状態が
著しく低下します。
制震装置を取り付けて構造部材は塑性化しないように耐震補強の設計を行います。
残留変形が弾性部材に及ぼす影響は以下のリンクを参照して下さい。

座屈拘束低降伏点鋼により発生する構造物の残留変形