⑬ 完全弾塑性モデルによる波形鋼板巻立て工法のじん性照査

1) 参考文献1)に用いられた橋脚モデル(図-1参照)に道路橋示方書に基づいて
完全弾塑性モデルによる終局変位を計算してみました。
基部における横拘束筋の体積比は
ρs=0.00244
でした。
図-2にレベル2地震動タイプⅠの曲げ耐力Puと終局変位δuを
参考文献1)の載荷試験結果上に記入しました。
降伏変位δyとの比は以下のようでした。
δu/δy=2.07

                                                
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                                        図-1 橋脚モデル

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     図-2 参考文献1)の載荷試験結果にPu-δuを水色で記入

2) 図-1に示す橋脚に波形鋼板を巻き立て完全弾塑性モデルの計算を行いました。
図面は以下のリンクに示します。


波形鋼板図面

基部における横拘束筋の体積比は上限値
ρs=0.018
でした。
図-3にレベル2地震動タイプⅠの曲げ耐力Puと終局変位δuを
参考文献1)の載荷試験結果上に記入しました。
降伏変位δyとの比は以下のようでした。
δu/δy=2.72

波形鋼板巻き立てによりじん性が大きく向上していることがわかります。
載荷試験を実施して実際のじん性を確認する予定です。

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図-3 参考文献1)の載荷試験結果に波形鋼板を巻き立てたPu-δuを赤色で記入

3) 図-1に示す橋脚に炭素繊維を巻き立て,完全弾塑性モデルの計算を行いました。
参考文献2)と同様に炭素繊維は軸方向に2層, 周方向に1層としました。
ただし軸方向、周方向とも基部まで貼り付けました。
かつ軸方向炭素繊維は基部まで有効と仮定しました。
つまり定着長は考慮しませんでした。
基部における横拘束筋の体積比は
ρs=0.00244
でした。
図-4にレベル2地震動タイプⅠの曲げ耐力Puと終局変位δuを
参考文献1)の載荷試験結果上に記入しました。
降伏変位δyとの比は以下のようでした。
δu/δy=1.044

炭素繊維は強度は大きいものの剛性が小さく、じん性の向上効果は小さいことがわかります。

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図-4 参考文献1)の載荷試験結果に炭素繊維を巻き立てたPu-δuを青色で記入



参考文献

1) 曲げ耐力制御式鋼板巻き立て工法による鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強 1996年
  川島一彦、大塚久哲、中野正則、星隈順一、長屋和宏

2) 炭素繊維シートと鋼板によるRC橋脚の耐震補強とその効果 2009年
  張 広鋒 星隈順一 堺 淳一