(6)橋台滑動防止装置(BRDアンカー)
(特許第5389293号)
免震装置または落橋防止装置の設置時の課題
1) 免震装置または落橋防止装置を橋台に取付けると、それらを通して橋台に
作用する地震力により、橋台の滑動や基礎の耐力が不足することがあります。
橋台の滑動は平成28年熊本地震でも発生しました。
2) 免震装置または落橋防止装置の取付けが想定されていない旧基準で設計された
可動支承の橋台では滑動や基礎の耐力不足が発生する可能性が高くなります。
3) 免震装置または落橋防止装置を橋台に取付けると、地震力により、
橋台の取付け部が破損することがあります。
免震装置または落橋防止装置の材料に上限強度の設定がない場合に
発生すると言われています。
取付け部の破損は平成28年熊本地震でも発生しました。
橋台の滑動及び取付部の破損に対する解決策
4) BRDアンカーは、図-1に示すように橋台に地震力を作用させずに、固定装置を通して
固い地盤に支持されたグラウンドアンカーで地震力支えます。
図-1 BRDアンカー
5) BRDアンカーは地盤で支持しますので、橋台が滑動したり、
取付け部が破損することはありません。
6) 固定装置は図-2,図-3に示すように、中央の免震装置または落橋防止装置と
左右に設けたグラウンドアンカーを接続する構造になっています。
補剛リブで鋼板の耐力を確保しています。
図-2 固定装置正面図(補剛リブタイプ) 図-3 固定装置平面図(補剛リブタイプ)
7) 作用力大きい場合には、図-4に示すようなフランジ構造の固定装置を使用します。
図-4 固定装置(フランジタイプ)
8) 樹脂アンカー(ケミカルアンカー)や芯棒打込み式のあと施工アンカーで取り付けた
場合も、BRDアンカーに取り換えると取付部が損傷することはありません。
9) 東・中・西日本高速道路株式会社の設計要領に準拠しています。
10) 一般社団法人 日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所
「座屈拘束型ダンパーガイドライン委員会運営業務報告書」(平成29年4月)
に詳しく記載されております。