③波形鋼板巻立て工法ではなぜねじり耐力が向上するか
及び
⑥-4 ねじり破壊型橋脚の補強
1) 熊本地震(2016.4.14,4.16)では斜π橋の鉛直材に損傷が発生しました。
図-1に示すような壁厚の薄い壁式橋脚は橋軸方向にはフレキシブルで橋軸直角方向には
せん断耐力が大きいので耐震性能が高いと言われていました。
しかしながら,図-1に示すようにねじりモーメントを作用させた場合,
じん性が著しく低下することが大規模載荷試験,三次元有限要素非線形有限要素解析の結果
判明しました。
図-1 壁式橋脚
2) そこで図-2に示すように波形鋼板を壁式橋脚に巻き立てた場合,
ねじりせん断に対して四面が形鋼で連結された波形鋼板のせん断抵抗力が
長方形の形状を維持することになります。
3) 図-2に示すように波形鋼板を壁式橋脚に巻き立てた場合,じん性が大きく改善
することが大規模載荷試験,三次元有限要素非線形有限要素解析の結果判明しました。
通常の耐震設計は橋軸方向,橋軸直角方向しか行わないため,薄い壁橋脚にはねじりモーメントに
対するじん性の照査が必要です。
ねじりにモーメント対するじん性が不足する場合は波形鋼板巻き立てが有効です。
塑性率も計算できます。
図-2 波形鋼板を巻き立てた壁式橋脚