⑥-3 曲げ破壊型橋脚の補強

図-1に示すような橋脚に水平荷重が漸増して作用した場合,図-2に示す荷重-変位図で
塑性領域に入りますと塑性ヒンジが形成され荷重は増加せず曲げひび割れが発生します。
終局変位
deruta
が小さいと許容塑性率
myu
が小さくなり,大規模地震動では橋脚が許容塑性率を超過することがあります。
波形鋼板を橋脚に巻き立てると拘束効果が増大し,その結果終局変位が大きくなり
許容塑性率も大きくなります。以下のリンクを参照下さい。

②波形鋼板巻立て工法ではなぜ曲げに対するじん性が向上するか

波形鋼板を巻き立てた橋脚は 大規模載荷試験で三次元非線形有限要素法有限変形解析で
シュミュレーションできることが検証されており,解析プログラムは実用化されていますので,
波形鋼板の板厚,断面を仮定して終局変位を求め塑性率が許容塑性率内にあることを照査します。
満足していなければ再度波形鋼板の板厚,断面変更を行います。


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       図-1 曲げ破壊型の橋脚

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        図-2 曲げ破壊型橋脚の荷重-変位図